2010年1月17日日曜日

プログラム言語について -Pascal-

私がソフトウェア会社に入社した1978年当時、大型ホストコンピュータのプログラム言語としては、以前にお話したFortranやCobol、PL/Iが主なプログラム言語でした。
その後、数年でパーソナルコンピュータ(パソコン)が販売されるようになり、このパソコン用の言語としてPascal処理系が搭載されるシステムが販売されました。有名なものがAPPLE Pascalですが、これは、UCSD(カルフォルニア大学サンディエゴ分校)で開発されたUCSD-PascalをAPPLE上で動作させたものになります。
なお、UCSD-Pascalについては、本ブログの
をご覧ください。
このUCSD-Pascalは、起源を辿ると、チューリッヒ工科大学のニクラウス・ヴィルトが開発したP4 Pascalを元に開発されたようです。P4パスカルは、コンパイラによって生成されたPコードと呼ばれる仮想的なマシンコードと、この仮想マシンコードで記述されたプログラムを実行するインタプリターから構成されています。ちなみに、この仮想マシンコードを処理するインタプリターを各CPUに合わせて開発することで、様々なコンピュータ上で動作させたのがUCSD-Pascalとなります。この仮想マシンコードを使った処理は、Javaに引き継がれています。

Pascalの特徴は、プログラミング作成のために必要となる制御文(for文、do-while文, repeat-until文)が用意されており、構造化プログラミングを実現するツールとなる点でしょう。また、通常のシステムプログラミングで必要となるポインターが使えることも大きな特徴です。また、変数は、基本的にオートマチック変数(手続き内だけに有効となる変数)であり、より信頼性の高いプログラミングが可能となります。
これらの強力な機能により、システムプログラミング言語としてパソコンを中心に使われるようになりました。

しかし、Pascalの弱点は、分割コンパイルによるプログラム開発(大きなプログラムを、いくつかの部分に分割して開発し、それぞれ開発した部品をリンクにより結合するプログラム開発)が、初期のPascal仕様には無かったことが弱点でした。
また、Pascalは、最初、教育用のプログラム言語から出発したことから、データ変数の扱いなど、なるべくコンピュータの処理系に依存しないように定義されており、ビット演算などの処理が煩雑であること等も弱点の一つです。

その後、パソコンなどのシステム言語として利用されたPascalは、より記述するコード量が少なくて済み、かつ、ビット演算などが簡単に行えるC言語に移行されました。

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